富山県 データサイエンスを活用した誘客促進事業

2022年08月30日

楽天のデータサイエンティストとコンサルタントが富山県職員とともに、グループワーク形式(1グループ4~5名×4チーム構成)でデータを活用した関係人口創出拡大のための施策立案のワークショップを行いました。富山県と楽天が保有する、ふるさと納税の寄付者、県産品購入者や旅行者等のマーケティングデータを分析し、富山県への来訪見込みのあるペルソナの形成をしました。そのターゲットに向けたプロモーションを行い、結果検証と次回へのアクションの立案までのPDCAサイクルを一気通貫で実施しました。 

背景

富山県は本事業を実施する以前から楽天トラベルで富山県の誘客促進のための宿泊割引クーポンの発行やプロモーションの実施、楽天市場内でアンテナショップを開設し、地域産品の流通促進を行っていただいていました。

蓄積されたデータを活用し、楽天のデータの専門家と富山県職員および、とやま観光推進機構職員が一体となって、誘客促進におけるターゲットの設定やターゲットを絞った戦略的なコンテンツ造成やプロモーションの検討、実施および効果検証を通じて政策立案の推進体制強化に必要な県職員等へのデータ分析・戦略策定等のノウハウを学んでいただき、県、市町、DMOにおけるマーケターの育成を目的として実施いただきました。

実施内容

全3回のワークショップを通じ、富山県庁、公益社団法人とやま観光推進機構、富山県内市町村の観光課の職員とともに、楽天市場、楽天トラベル、楽天ふるさと納税を中心に地域のマーケティングデータの分析を行いました。

本事業は観光分野でいかに来訪客を増やすかという課題を解決するため、各チーム(4~5名/1グループ)で2日間かけてデータ分析と整理、目標達成のためにどんなペルソナにアプローチするのか、そのメッセージと方法までを段階的に学びながら実際のキャンペーンアイデアをまとめ、そのペルソナに対するメッセージや売り物を設定し、テストキャンペーンの実施を行いました。

テストキャンペーンは、「グルメ」と「フォトジェニック」をコンセプトにF1層(20~34歳の女性)むけに楽天トラベルでのキャンペーンページの掲載とSNS広告配信を行いました。

3回目のワークショップは、本プログラムの特長でもあるテストマーケティングの結果を検証するワークです。マーケティングプランに基づいたキャンペーンの結果の振り返りを行いました。施策内容に一定の効果が見られたことが判明するとともに、さらに取り込みたい層へどのようにアプローチしていくか、などの検討を行いました。

また、主に事業のご担当者を対象とした楽天のデータサイエンティストによるコンサルティングを2021年7月から2022年3月までほぼ毎月全9回実施しました。月ごとの数値の変化やユーザー属性の変化、昨年同時期・前月・比較対象地域の平均値との比較など、データ分析に必要な知識やノウハウを実践的なワークを通じて習得いただきました。

現状把握のためのデータ分析にとどまらず、富山県の観光戦略や次年度以降の事業展開等に活かせそうな施策についてもディスカッションをしながら検討を行いました。

ワークショップの流れ


実施効果

県内のふるさと納税や購買、旅行のデータを活用し、現状分析から戦略、マーケティングプラン、テストマーケティングとその振り返りとマーケティングの一連の流れを習得する本ワークショップを通じ、参加いただいた職員様からは今後の業務への役立ち度合は平均4.56点(5点満点中)と高い評価をいただきました。また、テストマーケティングの振り返りができたことも4.39点(5点満点中)と高く、次へつなげる継続性のある取り組みとして一定の高い評価をいただきました。

本ワークショップでは職員の方々へのマーケティング手法を学んでいただく機会だけではなく、実データに基づいた計画やアイデアをさらにタイムリーなデータとデジタルプロモーションで得られたレポートをもとにブラッシュアップができるため、PDCAサイクルに基づいた継続的な取り組みができます。

今後の展開

2022年度は、3回目のワークショップで振り返ったテストマーケティングの結果をふまえ、新たなターゲットに対するニーズ調査、宿泊プラン造成、キャンペーンの実施を行います。

楽天のデータツール「RakuDash」を導入し、最新のデータをもとに、交流人口、関係人口の拡大のための事業立案の一助になるべく次年度は応用編のデータコンサルティングをさせて頂きます。

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