実りの秋!「楽天グループ稲刈り体験ツアー」開催

2024年01月25日


楽天グループと新潟県そして第四北越フィナンシャルグループは、2021年に包括連携協定を締結し、関係人口拡大に向け、物産や観光の側面から連携を続けてきた。


コロナ禍も明け、新潟県よりお声掛けいただき、2023年10月7日「楽天グループ稲刈り体験ツアー」を開催するに至った。関係人口拡大に向けた更なる取り組みについて実体験をもとに検討することが目的の一つである。稲刈りの舞台は、上越市板倉区。参加したのは、上級執行役員の木村美樹そして地域創生事業の社員を中心に、その家族を含め14人。本記事では、本稲刈り体験ツアーの様子をお伝えする。


上越市板倉区で開催した稲刈りと稲架(はさ)掛け体験

10月7日、気温が10度を下回る北陸の秋の朝。楽天グループ社員が上越妙高駅に降り立つと待っておられたのは、中川 幹太 上越市長と、大勢の上越市職員そして新潟県職員。中川市長より「楽天グループに来ていただき大変嬉しい。私は上越市、そして農業が大好きです。ぜひ今日の稲刈り体験をきっかけに様々な連携を行いたい。」とご挨拶をいただいた。


その後、一行は、稲刈りの舞台、板倉地区へ。地元農家の皆様にお迎えいただき、長靴とレインパンツに着替え準備を行った。


稲刈りを行った田んぼの大きさは約400平方メートル。コシヒカリを鎌で手刈りしていった。農家の方のご指導あって、悪戦苦闘しながらも稲の束をわらで縛り、昔ながらの稲架掛けも行った。



若手社員の参加者は「なかなか稲刈りをテンポよく行うのが難しい。育て収穫することに時間がかかるお米は、大変有り難い食材であることが、よく分かった。刈っていく作業を続けると、未知なるものを開拓する楽しさがある。自己探求型の新しいアクティビティとして流行るかもしれない。」と稲刈りアクティビティの新たなの可能性を見出した。



また、参加した社員の家族(7歳)は「稲刈りは難しいけど面白い。東京では見ないバッタを捕まえた。」とワクワクした表情で話した。



2時間の作業のあと、農家の方のご厚意で、豚汁とおにぎり、おはぎを振る舞っていただいた。冷えた体に豚汁の温かさとお米の甘さが沁みて、身体も心も温まった。


あっという間に滞在終了予定時刻となり、農家を去ることとなった。地元農家の方には「ぜひ来年も来てほしい。今度はもっと交流や意見交換をしたい。ぜひ、東京・世田谷のオフィスの食堂で、社員の方にも上越市板倉のお米を食べてもらいたい」と、今後への期待の声をいただいた。



インタビュー

本ツアーの受け入れを担当した佐藤 朋美 上越市農業振興課長にお話を伺った。



稲刈りツアーは上越市で過去にも実施したことはありますか?


新潟県さんからご相談があって稲刈り体験をしたというのは、私の知る限りないです。こちらの地域も稲刈り体験を受け入れるのが初めてだと思います。なので、うちの棚田担当の職員から地域の方に呼びかけをして受け入れをやってくれませんかという流れでした。


佐藤さんの考える上越市の農業や関係者との連携について思いを教えてください


中山間の農地には様々な課題があります。

まず、真四角じゃない小さい田んぼってとても効率が悪いのです。田んぼと田んぼの間に斜めの法面があるのですが、年に何回も草刈りをしないといけないです。そして鳥獣被害、イノシシの被害が多くて、電気柵を張ったりするんですね。電気柵の総延長は、上越市は1100キロメートルくらいあり、農家さんが頑張って張っています。


また、様々な課題を抱える農家の高齢化も進んでいます。農家だけで農地を守っていくのは難しいんです。だから中山間地域とか棚田の取り組みとかを企業さんや都市部の人とか市内の人に知ってもらい、応援をしてもらって農地を守っていく、こういうことを中山間地域のためにはやっていきたいです。農業の担い手が足りず、県外・市外・首都圏の方を呼び込むといったこともやっています。


なぜ農地を守らないといけないのか、全部効率化すればいいじゃないかという考えもありますが、山を守る理由はあります。例えば、田んぼに「あぜ」がありますよね、そこに水がはれるのですが、このあぜが何も無ければ雨が降った水は下に流れていくだけ、もしくは土に浸透する、そうすると土砂災害などもあります。山をきちんと守ることで生物の多様性が維持される。中山間地域のもつ機能はたくさんあって、これを維持することで山の恵みが海までつながるということ、山だけではなく平場の田んぼも多面的な機能を持っているので、そういう機能を消費者の皆さんにも伝えないと、お金をかけて山の農地を守る意義はないです。


そして、農家の人が農村部にいるから伝統的な芸能が守られています。山は神楽があって中山間にいっぱい残っているんです。農村部の人口を守ることは伝統や伝統職を守ることにもなります。山の農村部を守ることをしていく、農業振興課にいることもあり、とても大切だと思っています。心も豊かになりますしね。


関係人口についてどうお考えかお聞かせください


今人口減少社会で、少子高齢化をしているので市町村の人口を増やすのは本当に難しいと思うので、そこは関係人口を増やすことで経済を回すということが大切なことだと思っています。私は農業が担当なので、農業を通した関係人口の創出ということで、都市と農村の交流事業の一環で稲刈りやそば打ち体験をやっています。


今後に向けて

わずかな体験であったかもしれないが、本ツアーを通じて得た中山間地域の農業への理解をもとに、関係人口創出に向け新規事業開発をもくろむ。地域のために、環境のために守るべき中山間地域の農業。上越市板倉区農家の方や上越市・新潟県職員の皆さんの思いに応えるべく、早速プロジェクトチームが部署内に立ち上がった。農業を活用した移住や二拠点居住も見据えた関係人口拡大に向けた事業を、上越市と共に考案し、地域課題解決のために新たな一歩を踏み出したい。

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