埼玉県横瀬町で産業能率大学と楽天のコラボによるボランティアツアーを実施

2024年04月04日


2023年11月22日、楽天グループ株式会社(以下「楽天」)と産業能率大学、埼玉県横瀬町の協働による大豆収穫体験のボランティアツアーを開催しました。このイベントは、楽天が2020年3月より導入している、従業員のボランティア活動を支援する休暇制度を利用したもので、抽選によって選ばれた15名が横瀬町を訪れ、地元の人たちとの交流によって大豆の収穫を体験し、同町が直面している「農業の担い手不足」という課題について意見を交わしました。


横瀬町の関係人口を増やすために楽天・大学・町がコラボ

楽天が掲げる、「イノベーションを通じて、人々と社会をエンパワーメントする」というミッションを企業文化として根づかせるために始まったボランティア休暇制度。具体的には地域・社会における公益的な活動に対して、役務や知識の提供を無償で行うことを条件に年間5日間まで取得できる制度となっています。


今回の横瀬町での大豆収穫体験ボランティアツアーは、15名の枠に対して30名以上もの申し込みがあり、抽選によって選ばれた15名が参加しました。


これまで楽天の地域創生事業のメンバーは、産業能率大学で実際に地域創生を学びながら学生の伴走をしていた経緯があり、この度、同大学の経営学部経営学科で地方創生について学んでいる藤岡慎二ゼミと楽天がタッグを組み、横瀬町でのボランティアツアーを開催する運びとなりました。


ボランティア開始前に横瀬駅で産能大の学生さんと楽天従業員で記念撮影


最終的なゴールは横瀬町の関係人口を増やすこと

当日は集合した参加者を前に、横瀬町役場の田端さんが現状の横瀬町が抱える課題について説明。横瀬町の強みと課題についての共有がありました。地方創生・地域活性化をテーマに学び、地方創生のキーパーソンの育成を目指す藤岡ゼミの学生さんたちは、この日のためにプレゼン資料を用意。グループに分かれての意見交換を経て、一同はこの日のメインイベントである茶畑へと向かいました。


ここで生まれた交流の輪を次の機会へつなげるために

大豆収穫体験が行われたのは、横瀬町在住の石黒夢積さんの畑。メインは日本茶葉を使った和紅茶の茶畑ですが、時期的に体験可能だった大豆の収穫を参加者全員で行いました。石黒さんは今回の収穫体験をコーディネートしてくださった方であり、7年前に地域おこし協力隊の第1号として横瀬町に移住してきたという経験の持ち主。現在は耕作放棄地を整備して畑を作り、紅茶を作るためのお茶や大豆を生産しています。


学生さんと楽天従業員が協力して大豆の収穫を行いました


「過去に、西武鉄道の環境活動の一環として茶摘み体験をしていただいたことがありますが、民間企業によるここまで本格的な収穫体験イベントは初めて。楽天の従業員さんたちが楽しそうに大豆を収穫している姿が印象的で、しかも思った以上に収穫が捗ったので感激しています」と石黒さん。


「私が横瀬町に移住して今も暮らしているのは、地元の人たちの温かさが何よりの理由です。今回の収穫体験を通して農業の大変さを理解していただき、ここで生まれた交流の輪がさらに広がっていってくれたら」と期待を込め、「ボランティアにまだ踏み出せていない方にとって、横瀬町は最適なフィールド。真冬以外は何かしらの農作業があるので、いつでもご案内できますよ」と話してくれました。


今回収穫体験をさせていただいた「借金なし大豆」の説明をする石黒さん


また、楽天従業員との意見交換時に話が上がった中長期的な体験プログラムにも好意的で、「農業は天候に左右されるだけに、1日限りのイベントだと天候によってはプログラム内容を実施できない可能性があります。その点、など、長めに滞在していただくことで、天候次第での作業も調整しやすくなるといった利点があります。また横瀬町へ来ていただけるように今後も企画を考えていきたいと思います」と次回へつなげる思いを語ってくれました。  


今回のイベントを企画・運営した産業能率大学の学生さんは「楽天の従業員さんたちが、大豆の収穫体験を純粋に楽しんでくれている様子が伝わってきました。藤岡ゼミに入って初めて横瀬町を知り、訪れるのは今回が4回目。都内では味わえない空気や、人々のあたたかさが横瀬町の魅力だと思います。地方ならではの自然の豊かさや人の温かさなどの気づきが得られることも、地方へ足を運ぶことのメリットだと思います」と話してくれました。


ボランティアツアーを一緒に企画してくれた産能大の学生さん。事前説明会のため、楽天本社にも来社いただきました


一方、この日に初めてボランティア休暇制度を取得して参加した楽天の従業員は、「この制度を利用することで、部署を超えて同じような志を持つ人や思考が似ている人たちとつながれるところが魅力だと感じました。今回のように日帰りのもの、数日に渡るもの、近郊から遠方までボランティアの選択肢がもっと増えれば、利用するメンバーも増えてさらに活発化し、楽天の目指すエンパワーメントが社内外に広がっていくように思います」との感想を述べました。


ボランティア休暇制度を通して横瀬町のニーズを解決するために

横瀬町では高齢化が進み、農業従事者も減少。耕作放棄地などの問題が顕在化しています。産業能率大学で地方創生を専門に学んでいる藤岡ゼミでは、課題解決のためには人手不足の解消にアプローチすることが必要だと考え、楽天のボランティア休暇制度を通して横瀬町のニーズを解決するプロジェクトを企画しました。


横瀬町役場の田端さんは「楽天の従業員さんたちは、大きな企業にも関わらず取り組みにスピード感があり、地域の課題を自分ごととして捉えてくださる方が多い印象を持っています。 今回は15人の枠に倍の応募があったと聞いています。今回が初めてのチャレンジではありましたが、次回は150人規模の受け入れも検討したい」と意欲をのぞかせます。


大豆収穫の前に横瀬町役場・田端さんにより横瀬町についてご紹介いただきました


「諦めてしまうことが地方の課題。でも、今回のように休暇を取得して電車代、お昼代まで負担して、この地域のために一歩を踏み出してくださったみなさんは、チャレンジャーであり仲間だと思っています。第2回、第3回と回数を重ねるごとに規模を拡大して、いずれは人口7800人の町へ、それを上回る数の人たちに来てもらえるよう面白いまちづくりをしていきたい。そして、横瀬町だけではなく、さまざまな地域を、日本を面白くしていきたい」と語ってくれました。


参加者への事後アンケートでは、「今後、横瀬町の抱える課題を解決していきたいと思いますか?」の問いに対し、82.3%が「解決していきたい」と回答。また、「今後も横瀬町での活動に限らず、地域でのボランティア活動に参加したいと思いますか?」の問いには、全員が「参加したい」と回答  。ボランティア休暇制度を利用した活動をより積極的に行っていきたいという意見が大多数という結果となりました。


今回の取り組みを受け、楽天では今後も教育機関等との連携を深めながら、様々な部署で働く多様なメンバーと共に、地域の課題解決に取り組んでまいります。  

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