「長岡未来デザインコンテスト」 参加学生のリアルな声をインタビュー!

2024年03月15日


新潟県長岡市と楽天グループ株式会社が締結した包括連携協定に基づく取り組みとして、2022年からスタートした「長岡未来デザインコンテスト」。2023年は8月〜12月の4ヶ月間にわたるプログラムが実施され、26名の学生たちが長岡の食の魅力を全国に届けるためのアイデアを出し合い、商品開発に挑戦しました。この記事では、参加した5名の学生への事後インタビューで寄せられた、同プログラムに参加した感想や学び、未来の長岡への思いなど、リアルな声をご紹介します。

長岡未来デザインコンテストの目的は?

長岡未来デザインコンテストは、学生の自由な発想で長岡の課題解決を目指す、アイデア実践型プログラムです。課題解決と実践を通じて、リスクを恐れず果敢に挑戦する若者をまち全体で育てていきたいという思いで始まりました。長岡市内の大学・専門学校に通う学生や長岡市出身者など、長岡にゆかりのある学生たちを参加対象とし、その自由な発想で長岡市の課題解決を目指してもらうアイデア実践型のプログラムとなっています。

次の長岡を代表するスター商品をプロデュースせよ!

開催2回目を迎えた2023年のテーマは『次の長岡を代表するスター商品をプロデュースせよ!』。参加した26名の学生は 全8チームに分かれ、それぞれ長岡の食の魅力をEC(ネットショップ)で全国に届けるアイデアを考案することになりました。



実施期間は4ヶ月間で、8月には準備プログラムとして長岡の文化や特徴、ECで商品の魅力を伝える基礎をネットショップの経営者から直接学びました。その後、グループごとに商品のアイデアを出し合い、9月には予選ピッチを開催。決勝に進むことが決定したグループは、市内企業や生産者との商談や試作品を作りながら、自分たちのアイデアを商品化するための実践と検証を重ねました。 12月にはプログラム期間の集大成である決勝ピッチが開催され、グランプリ、準グランプリ、優秀賞が選出されました。 


今回のプログラムで生まれた商品のうち4商品は、現在も長岡市公式オンラインショップ「丸ごとながおか」で販売中です。(2024年2月時点)

学生たちが企画した商品はこちら


規模が拡大し、求められる内容もハイレベル化。

より実践的な内容にチャレンジできた経験が今後の大きな糧に。

 まずは、今回のプログラムへの参加にあたり期待していたこと、実際に参加してみてどうだったか?という感想として、以下のような声が寄せられました。


「大学でもビジネスアイデアを考える授業があり、軽い気持ちで参加しましたが、当初の予想以上に本格的な内容で、最後までやり切れるかと不安を覚えました。でも、結果的に自分自身の成長につながったと感じています」(長岡大学3年)


「大学3年生なので、就活に役立ちそうだと考えて参加を決めました。想像していた以上に実践的な内容で、就職後の社会生活の練習にもなったと思います」(長岡造形大学3年)


「昨年に続いて2度目の参加です。前回は友人に誘われて参加し、思うような結果を得られず、今年はそのリベンジに!昨年以上に規模が大きくなり、要求されるレベルも上がっていました。良い意味で期待を裏切られ、実践度の高い内容だと感じました。4ヶ月という長期間にわたり、所属や年齢の異なるメンバーと一緒に同じゴールを目指した経験は、今後の役に立つと思います」(長岡工業高等専門学校2年)



チームで動くことの楽しさや難しさにも直面しつつ、

学校の授業だけでは得られない経験やスキルが身についた。

続いて、今回の実践プログラムを通してどのようなことを学び、どんなスキルが身についたと思うかを尋ねました。実際に販売する商品をプロデュースするという、日頃の授業では学べない実践的なプログラムを同じグループのメンバーと共に進めていく過程で、多くの気づきや学びがあったという声が目立ちました。


「自分にはできないけど仲間にはできることや、苦手なことも含めて互いを知ることができ、それを踏まえてグループ内での役割分担を決めて動いていきました。長期プログラムのおかげで、メンバー一人一人と向き合ってグループを構築していく過程を経験できたと思いますし、良い経験になりました。」(新潟県立大学3年)


「私は最後まで楽しく走り抜くのが目標でした。メンバーはそれぞれ所属が違うので、お互いの予定を合わせるのに苦労しましたが、楽しく取り組むことができたと思います。」(長岡大学3年)



「1DAYインターンなど短期のインターンと違い、期間が長い分、携わる規模が大きく、得られる経験値も大きいと感じました。就職後は1DAYで終わる事業は少ないと思うので、より実践的に学べました」(長岡工業高等専門学校2年)


「学校では、グループで何かに取り組むという経験がありませんでしたが、同じチームになったメンバーの中では私が最年長だったので『みんなを引っ張っていかなくては!』という思いがありました。今回、特にリーダーというわけではありませんでしたが、暴走するのではなく、みんなで進めることを意識し、動けたと思います」(長岡造形大学3年)


長期だからこそ時間の使い方、スケジュール管理の難しさを実感。

斬新なアイデアを求められる一方で、コスト面など避けられない現実と直面する場面も。

今回のプログラムで多くの学生が直面したのが、理想と現実のバランス。学生らしい奇抜なアイデアが歓迎されるものの、その実現可能性を探るとコスト面や過去の実績から、利益を得るのが難しいと判断されてしまう…という理想と現実のバランスを取るのが難しいと感じた学生が多かったようです。


「制約がある中でいかに理想のアイデアを実現できるかが求められたので、あらかじめ商品のロットや利益率などについても分かっていた方が良かったと思いました」(長岡工業高等専門学校2年)


「学生ならではの柔軟な発想で奇抜なアイデアが求められる一方、目指しているゴールは実際に売れる商品を作るという現実的なものでした。コストについての指摘を何度も受け、学生ならではのアイデアだけでは実現が難しい部分もあったため、商品開発の初期段階で考慮する点をもっと学びたいと思いました」(長岡技術科学大学修士1年)



「当初考えていた案に改善すべき点がどんどん見つかり、扱う商品が二転三転するという経験をしました。『もっとやればよかった』と後悔しないように、とにかくやりきることを意識しました」(長岡造形大学3年)


志の高い同年代の仲間の存在が刺激に。

大人たちと関わり、学生でありながら社会経験も積める貴重な機会となった。

参加した学生たちが口を揃えて伝えてくれた感想は「参加して良かった」というもの。学生の今だからこそ、残りの学生生活をより有意義なものにし、就職活動や今後のキャリア形成にも役立つ経験になったと感じている様子。日頃関わる機会のない大人たちや、熱意のある同世代の仲間とつながれたことも大きな収穫になったようです。


「本当にいい経験ができました!大人たちの手厚いサポートと熱意に支えられました。参加しなかったら関わる機会がなかった人たちとの出会いが刺激になり、今後のエネルギーにもなりました」(長岡技術科学大学修士1年)


「運営の方たちや大人のサポートがあったおかげで最後まで走りきれました。周囲の期待に応えたいという思いも強かったように思います。この経験を今後につなげていきたい!」(長岡大学3年)


「学生のうちからこのような経験ができたことがよかった。情熱のある学生との出会いにも感謝しています。他の多くの学生にもぜひ参加してほしい!」(新潟県立大学2年)



長岡市による若者のサポート体制が実感できた!

地元の新たな魅力の発見につながり、自身の成長を応援してくれるプログラム。

「長岡未来デザインコンテスト」は冒頭でもお伝えしたように、長岡の課題解決のために果敢に挑戦する若者をまち全体で育てていきたいという思いの上に成り立っているプログラムです。そこで、今回の参加学生たちに「このプログラムは長岡のまちおこしにつながると思うか?」という質問を投げかけたところ、以下のような答えが返ってきました。


「地元は新潟市ですが、就活後は長岡に戻ってきたい!やはり、やる気のある学生へのサポート体制が手厚く、今回のプログラムを通して改めて長岡の魅力に気づくことができました」(長岡技術科学大学修士1年)


「学生の成長を市が手伝ってくれていると感じたプログラムでした。まだ参加したことのない学生にも、このプログラムを勧めたいと思います」(長岡大学3年)


「このプログラムは町おこしにつながると思います。商品開発にあたり、長岡の細かな魅力に気づき、長岡人の温かさにも気づくことができました。それが卒業後も長岡に留まる理由や、就職で一度離れたとしてもまた長岡に戻ってくる理由になると思います」(長岡造形大学3年)


「このプログラムに参加できたことで普通の高校生では気づけなかった長岡の魅力や、多種多様な事業を発見できました。市による学生へのサポート体制の手厚さにも、高専生として参加できたからこそ気づくことができたと思っています」(長岡工業高等専門学校2年)


「この先、町おこしのメインになっていくのは私たち若者。その若者を育てる環境が整っているのが長岡市の魅力の一つだと改めて感じました」(新潟県立大学2年)



参加学生たちのコメントからは、長岡に愛着を抱く若者が、さらに長岡を好きになる…そんな流れが感じ取れました。若者をサポートして育てようという行政の本気を肌で感じとり、若者たちはそれに応えようとさらなる高みへとチャレンジする。長岡の未来を担う若きリーダーが、このプログラム実践者の中から生まれる日も近いかもしれません。

関連記事

おすすめコンテンツ